ブログ

投稿日：2024.3.10

受け口は矯正で治らない！？手術が必要なのはどんな時？

みなさんこんにちは！！
渋谷矯正歯科です( ◠‿◠ )

いきなりですが、みなさんは、受け口と聞いてどのような顔立ちをイメージするでしょうか。
多くの方が、下顎が上の顎より出ている顔立ちを想像すると思います。
テレビなどで耳にする言葉にしゃくれという表現がありますが、受け口と同じ意味合いで捉えてしまいがちです。

しかし、これらふたつは原因も違えば治療法も変わってくるタイプ別の症状になります。
さらに、どちらも事前に理解しておくことで早めに対処を行い、本人への負担を減らすことができるのです(・_・)
人に相談しにくいことでもあり、金銭的な負担もあるため言い出せないでいる方に、
少しでも治療に前向きになれるようサポートできたらと思っています(^O^)／

1 原因が違うふたつのタイプ
- - 1.0.1 歯槽性受け口の原因
  - 1.0.2 骨格性受け口の原因
2 気になるそれぞれの治療法
3 治療せずに放っておくとどうなる？
4 まとめ
5 渋谷矯正歯科って、どんな歯医者さん？
- - 5.0.1 当院のSNS

原因が違うふたつのタイプ

先ほども触れたように、受け口としゃくれは違うものになります。

最初に、受け口とは「歯槽性」と呼ばれ歯の位置異常が原因になります。
本来、上の歯が下の歯より前に出て咬むべき状態であるのに対し、下の歯の方が前に出て咬んでいる状態をさします。
そのため、口を閉じている時も下唇の方が前に出てしまいます。

次に、しゃくれは「骨格性受け口」と呼ばれ、下顎の骨が上顎に比べて大きいことが原因とされています。
そのため、下の歯が上の歯よりも前に出ていないケースもあります。

また、歯科領域ではしゃくれという言葉は使わず「下顎前突」と表現しています。
では、どちらのタイプも事前に防いだり症状を軽減させることはできないのでしょうか。

歯槽性受け口の原因

・習癖
幼少期の指しゃぶりや下の歯を前に押す癖がある場合、歯並びが悪くなる可能性があります。
環境の変化や歯の生え替わりなど敏感になってしまう時期は注意して観察してあげるといいでしょう。
指しゃぶりも3歳までに辞められるよう練習してください。

・口呼吸
口を閉じている時、意識しなくても舌が上顎についている状態にあるのが正常です。
しかし、口を開いていると舌の位置が下がり気道が狭くなり下顎を突き出すようになります。
その習慣がついてしまうと、受け口になることがあります。

・舌が短い
舌が正常な位置にあることは、上顎の成長にも影響します。
舌が短くて上顎につけることができないと、舌の力を受けることができず、上顎が十分に成長できないことがあります。

骨格性受け口の原因

受け口は歯並びが原因であるのに対し、下顎前突は骨格の遺伝による可能性が多いです。
また受け口と同様に、口呼吸が原因でもあるとされています。
顎が成長しきる前に口呼吸が習慣になってしまうと、骨格が口呼吸に適した形になるケースもあるのです。
顎の骨格は上顎が5〜7歳がピークで10歳まで成長します。下顎は男の子が18歳、女の子が14歳ごろまでに成長するといわれています。
口呼吸の原因には様々あり、鼻炎などのアレルギー疾患や出っ歯のように物理的に口が閉じられない場合もあります。
また、近年では子供たちの軟食化もすすみ、口周りの筋力の衰えも大きな要因とされています。

受け口の原因と対策ついてこちらの記事でも紹介しております。
ぜひ、ご覧ください(・o・)

気になるそれぞれの治療法

歯の傾きが原因となっている場合は、矯正治療によってなおすことができます。
また、顎の成長途中である幼少期と成人してからとでは治療法が変わってくるため、いくつかの例をご紹介していきます。
ある程度イメージしておくことで、治療への不安を軽減させることができるでしょう。

チンキャップ

顎に固定するチンキャップ、頭に固定するヘッドキャップからなるゴムバンドです。
下顎骨の成長を抑制したり、下の歯を後方へ移動させる目的で使用します。
一日に10時間〜12時間の装着により効果が見られることから、寝ている間も含めて自宅では装着しておくことが基本となります。
また、顎の成長過程に行なう治療のため9歳〜15歳までが対象年齢となります。
そのため、顎の成長が完了している方に効果は期待できません。

下顎骨が成長する時期に使用すると効果が期待できるため、
大人になってから手術するリスクを考えると、子供のうちに検討するのもいいでしょう。
ただ、顎の成長期に使用することは、長期的な治療期間が必要です。
お子さんのストレスにもなるため、本人とよく話し合って決断するようにしましょう

マウスピース

自分で取り外しをして矯正を行なうことができる、歯にはめ込むタイプの治療になります。
常時装着しておくことが基本となりますが、歯磨きや食事などどうしても外したい場合はご自身で外すことができます。
子供から大人まで行なうことができ、透明で目立たないため周りに矯正を知られずに行なうことができます。
ただし、マウスピースの装着時間を守らなければ効果は半減してしまいますので、自分でしっかり管理できるかどうか考える必要があります。

ワイヤー治療

歯の表側、または裏側にブラケット装置を付け、そこにワイヤーを通して矯正を行います。
歯の傾き具合によって、何本の歯に通すか変わってきます。
また、全部を揃えるスペースがない場合は抜歯を行なう必要がありますので、矯正専門医にしっかりと説明を受けましょう。

自分で取り外しをすることはなく、装着したまま歯磨きや食事をします。
最近ではホワイトのブラケットやワイヤーもあり目立ちにくくする工夫もされてきています。
また、あえてカラー色を使っておしゃれ感覚で行なう方もいるくらい、矯正治療は身近なものになってきています。

外科手術

適切な歯軸傾斜や位置の獲得が難しい場合、下顎の骨を外科手術によって分割して理想的な位置に動かします。
全てのケースに手術が必要になる訳ではありませんが、矯正治療のみでの改善が難しいと判断された場合は必要になります。

では、どのようなときに手術をしなければいけないのか、自分で判断できる方法がありますのでご紹介します。

下の顎を少し前に出し、上の前歯と下の前歯の先端同士を噛み合わせることができるかがひとつの判断基準となります。
このとき奥歯は噛み合わなくても大丈夫です。
もちろん、矯正専門医がみて判断しますので、この検査だけで決めることはできませんが、
この噛み方が難しい場合は手術の可能性が高くなります。

手術となれば、期間や費用などが悩みのたねとなってしまうと思います。
顎骨の手術の場合「顎変形症」と診断されると大学病院や総合病院で保険適用されますので、問い合わせてみるといいでしょう。
また、術後の経過によって変わりますが、入院期間は1〜7日間程とされています。

他にも治療法はありますが、これらが基本的に行われる治療になります。
歯の傾斜や位置異常は人によりさまざまで、治療により歯がどれだけ動いてくれるかも違います。
顎の手術が必要な場合は、術後噛み合わせのチェックを行い必要に応じてワイヤー治療をすることもあります。

治療せずに放っておくとどうなる？

そのまま治療せずに放っておいてしまうとさまざまな悪影響があるので、
こちらを詳しく説明していきます(◎_◎;)

歯周病

下顎前突や反対咬合は前歯が噛み合わない状態であるため、奥歯への負担が大きくなります。
そのため奥歯が歯周病になりやすかったり、歯が摩耗したりかけたりというトラブルが起こりやすくなってしまいます。

消化器系や脳への負担

咀嚼は、唾液の分泌や心身の健康にも関わっています。
歯と歯がしっかり噛み合うことで、認知症の予防になるなど脳にも大きな影響を与えています。
奥歯だけで噛んで飲み込むことで、しっかりと消化されないため内臓への負担にもなります。

顎への影響

正しい噛み合わせではない場合、無意識に噛みやすい位置を探して顎を動かします。
そのため、顎の痛みが出やすかったり顎関節症にかかりやすくなってしまいます。

発音

上下の歯の間に隙間ができやすく「サ行」や「タ行」がはっきり発音できず、滑舌が悪くなります。
ひどい場合は発音障害とされ、将来仕事に支障をきたすことも考えられます。

コンプレックスになってしまう

特に思春期になると、自分の容姿を気にするようになります。
口元が出ていて気になってしまうと、口を開けるのが嫌になり、笑ったり会話することを避けてしまいます。
内向的な性格になってしまう可能性もでてきます。

まとめ

今回は、受け口についてお話させていただきました。
顎の成長が関わっているため、できる限り早い決断が必要なことは親御さんにも本人にも大きな負担となることは確かです。
ただ、顎の成長と共にその程度は大きく目立つようになってしまうため、まずは信用できる専門医に相談することが重要です。
治療や手術が完了した後も、後戻りや噛み合わせのチェックなど期間は相当な時間がかかります。
そのため、骨格の成長だけでなく、心の成長にも長きに渡りお付き合いできたらと考えています！！