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投稿日:2024.3.12

歯科矯正中のご飯は制限した方がいい?

 

 

みなさん、こんにちは。
渋谷矯正歯科医院です。

矯正治療と言えば「痛み」のイメージが強いと思うので、ご飯の心配があると思います。
治療に慣れると、痛みが落ち着いている期間は何でも食べられますが、治療開始時はわからない事が多いと思うので、歯列矯正中の食事事情について説明していきます。

 

歯列矯正中の食事制限はあるの?

 

朝ごはんを食べる女

 

歯列矯正期間中は矯正装置により歯に持続的な圧力を加えるので、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けたり、新しく作られたりする過程で痛みが生じます。
さらに、歯と歯槽骨の間にある歯根膜にも伝わり、歯が動く際に歯根膜が伸縮するので、歯が一時的に浮いて感じることがあります。
そのため歯の痛みや違和感で食欲がわかなかったり、噛めない期間はあると思いますが、食事制限は特にないです。
しかし矯正装置の種類や治療段階によっては、食事の際に注意が必要な場合があります。
食事によってトラブルになる可能性があることは、以下のことが考えられます。

1)装置の破損

硬い食べ物や粘着性のある食べ物は、装置を外したり、壊したりする原因になります。

2)着色

マウスピース型矯正の場合、色の濃い飲食物によってマウスピースが着色する可能性があります。

3)噛む時の痛み

矯正中は歯が動き、歯槽骨の吸収と再生を繰り返しているので、噛む時に痛みを感じることがあります。

4)食べ物が挟まる

ワイヤー装置の隙間に食べ物が挟まりやすく、特に麺類や繊維質の食材、粒状の食材は挟まりやすいです。
これらのトラブルを避けるためには、食事内容や食べ方に工夫が必要になります。

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矯正中の食事内容と食べ方

 

トマトの野菜スープの写真

 

 

矯正装置が頻繁に外れたり、ワイヤーが曲がったりすると歯が正常に動かなかったり、通院の負担が増えてしまいます。
トラブルを避けるための矯正期間中の食事内容には、以下のような工夫があります。

1)柔らかい食べ物

フランスパンやお煎餅、砂ズリや軟骨などの触感のある硬い物は歯に負担がかかるので、痛みや矯正装置の破損に繋がります。
矯正治療を開始後や調整後は痛みが強いので、噛みやすくて柔らかい食べ物がおすすめです。

2)粘着性のある物は避ける

キャラメル、ガム、お餅などは装置に付着しやすく、取り除くことが困難なので避けた方が良いでしょう。
また、粘着性のある食べ物は虫歯のリスクも高めるため、チョコレートやグミにも要注意です。

3)加熱する

生の状態で食べるよりも食材を柔らかくなるまで加熱すると、噛みやすくなります。
根菜やブロッコリー、じゃがいもなど、茹で野菜にすると柔らかくなり、消化もしやすいのでおすすめです。

4)着色しやすい飲食物を避ける

コーヒー、紅茶、カレー、ミートソースなどは、マウスピースに色移りする可能性があるため、注意が必要です。
また、白色や透明といった矯正装置を固定する矯正用ゴムやブラケットも着色しやすい素材でできているため、食べた後はすぐに歯磨きをしたり、うがいをすることで着色を防ぐことができます。

 

5)甘い物や酸っぱい物は控えめにする

甘い物と酸っぱいものは酸性が強いので、虫歯や知覚過敏のリスクを高めます。
治療中は歯が敏感になっているため、特に注意が必要です。

食事は装置に負担をかけず、かつバランスの取れた栄養を摂取することが重要です。
そのためには食べ方の工夫も大切になってくるでしょう。

1)食材を小さくカットする

食べ物をかぶりついたり、一口が大きいと装置に負担がかかるのでトラブルが起こる可能性があります。
小さく食べやすい大きさにカットすることで装置を守り、また噛む回数が少なくなるので、歯や歯茎への負担も軽減することができます。

2)柔らかく煮る、すりおろす

野菜や肉類は歯や顎の力を使いやすいので、柔らかく煮たり、すりおろしたりすることで噛みやすくなります。
さらに消化しやすくなるので栄養を効率的に摂取できるため、治療中の食事に役立ちます。
お粥、うどん、豆腐料理、蒸し料理、煮込み料理、魚、果物や野菜のすりおろし、高野豆腐のすりおろしをハンバーグや卵焼きに混ぜるのもおすすめです。

3)飲み物や汁物で補う

ヨーグルトや果物や野菜などでスムージーを作ったり、味噌汁などの汁物も負担が少なく、手軽に栄養を摂取できるので治療中の食事には便利です。
しかし市販のスムージーは当分が多く含まれている商品もあるので、購入する場合は無糖
の物を選ぶようにしましょう。
清涼飲料水は影響が少ないように感じますが、意外と歯のエナメル質が溶けてしまい虫歯の原因になるので、食事の代わりに清涼飲料水やジュース、炭酸飲料の頻回摂取は避けましょう。

4)奥歯でしっかり噛む

治療中の歯は痛みや浮いている感覚があるので、奥歯が使えない時期もあります。
しかし前歯だけで噛むと前歯の負担が大きすぎて、装置の破損や歯の寿命を縮める原因になる可能性があります。
噛めるようになってくると、奥歯でしっかり噛むことで食べ物の咀嚼力が高まるので、消化を助け、顔の筋肉の発達や全身の健康に繋がります。

治療中の注意事項

注意マークを指差す手の画像

矯正治療中の注意事項について説明していきます。

1)食後の歯磨き

食後の歯磨きは矯正の種類に関わらず、しっかり歯磨きをして清潔に保つ習慣を付けましょう。
ワイヤー装置には食べ物が挟まりやすいので、歯磨きをせずにいると歯に付いていたり、細菌が増殖して虫歯や歯周病の原因になります。
歯ブラシだけでは汚れが落としにくいので、歯間ブラシやタフトブラシ(先の小さい歯ブラシ)なども併用して、磨き残しを少なくしましょう。
マウスピース型矯正装置の場合、食事はマウスピースを外すことができるので、ワイヤー矯正のように装置に挟まる心配はないです。
しかし食後に再びマウスピースを装着しないといけないので、歯磨きをせずに再装着すると、食べカスや歯垢が閉じ込められます。
マウスピースを装着すると唾液が歯全体に循環しないので、細菌の繁殖力がかなり高くなってしまい、虫歯や歯周病に繋がります。
その点ワイヤー矯正は、唾液の自浄作用である程度の汚れを流すことができます。
しかしマウスピース型矯正の場合、完全に蓋をしてしまうので、必ず歯磨きをして清潔な状態でマウスピースを装着するようにしましょう。
出先の場合は歯磨きがしにくいと思いますが、常に携帯用のケア用品を持ち歩き、食後はなるべく早くに歯磨きを心掛けてください。
歯磨きが難しい場合は、マウスウォッシュでうがいをするだけでもある程度の汚れは落とすことができるので、マウスウォッシュも持ち歩くと便利です。

マウスピース矯正についてはこちら

2)こまめな水分補給

歯列矯正中は、こまめな水分補給が重要です。
特にマウスピース型矯正は口の中が乾きやすくなるため、虫歯や口臭の原因となる細菌の繁殖が活発になります。
こまめな水分補給は口の中を潤わすことで乾燥を防ぎ、唾液の分泌を促すので虫歯や口臭予防に効果があります。
喉が渇いたと感じる前に水分を摂取すると良いでしょう。
しかし糖分や酸が含まれていない普通のお水が基本です。
常時摂取する飲食物に糖分や酸が含まれていると、口の中の細菌のエサとなり、歯の表面のエナメル質が溶けて虫歯になります。
その他にも肥満や生活習慣病のリスク増加、集中力や思考力の低下、精神的な不安定さなど、健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
また、糖化による老化の促進や、血糖値の急激な変動による体調不良も懸念されるので、こまめな水分補給は水が望ましいです。

3)水以外の飲食では装置を外す

マウスピース型矯正では取り外しが可能な透明なマウスピースを、1日20時間以上装着して歯を動かしていきます。
マウスピース型矯正中の食事は、マウスピースと歯の間に食べ物や飲み物が挟まり、虫歯や歯周病のリスクを高めるので必ず外す必要があります。
水はマウスピースを装着したまま飲んでも問題ないですが、食事や砂糖を含む飲み物や色の濃い飲み物を飲む時にはマウスピースを外し、飲食後は歯磨きをしてから再装着しましょう。
しかし熱い飲み物の場合、プラスチック製のマウスピースは歪んでしまう可能性があります。
マウスピースの形が変わると治療の進行に影響が出たり、作り直しが必要になることもあるので、人肌程度に冷ましてからかマウスピースを外してから飲むようにしましょう。

マウスピース矯正についてはこちら

4)保定期間

歯並びと噛み合わせが整い、治療が終了すると、歯を周囲の骨や組織に固定させるために2~3年「保定期間」が必要になります。
保定期間中はリテーナーと言われる装置を装着し、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぎます。
特に治療終了後の1年が最も不安定で後戻りしやすく、骨の代謝が活発になっているので、硬い物を噛むと痛みが出やすいです。
歯が安定するまでは硬い物も控えてリテーナーを正しく装着し、綺麗な歯並びを維持するために重要な期間にしましょう。
歯並びを揃えている治療期間だけが歯列矯正ではないので、治療後も食事や保定装置の装着の努力が成功のカギになります。

まとめ

笑顔 矯正

 

矯正治療中の食事制限は特になく、無理なく食べられる物をバランス良く食べましょう。
噛むのに歯に負担がかかりやすい食材もありますが、調理の仕方で負担を軽減しながら食べることができるので、できるだけ柔らかくなる工夫を心掛けてください。
初めて矯正装置をつけた時や、調整した時は特に歯が痛くて食べられる物が限られてしまいますが、スムージーやすりおろし、汁物などがおすすめです。
歯の動きを早くするためには新陳代謝が良い方がいいので、歯が痛いときは食べずにダイエットなどをするよりかは、きちんと栄養を摂取し、十分な睡眠を確保できると治療期間の短縮が期待できます。
治療中の食事は不便なことが多々あると思いますが、長期的な治療になるので楽しんで歯列矯正を乗り越えましょう。
当院は歯列矯正を専門としているので治療方法が多く、患者さまに合った方法が見つかると思います。
気になる事や歯並びにお悩みがある方は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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