投稿日:2025.1.9
ハーフリンガル矯正は他の矯正装置と仕上がりに違いはあるの?
皆様、こんにちは。
渋谷矯正歯科です。
歯列矯正の方法には「ワイヤー矯正」か「マウスピース型矯正」の2択ではありますが、その中でも組み合わせる方法があります。
例えば「ワイヤー矯正×マウスピース型矯正」は、マウスピース型矯正ができない歯並びの場合にワイヤー矯正である程度移動させて、その後マウスピース型矯正で細かい調整を行う方法があります。
そしてワイヤー矯正の中にも装置を表側に装着する「表側矯正」と、裏側に装着する「裏側矯正(舌側矯正)」があり、基本的には上下顎同じ方法にすることが多いです。
しかし必ずしも同じにする必要はないので、ライフスタイルによって「表側矯正×裏側矯正(舌側矯正)」にすることも可能です。
この方法を「ハーフリンガル矯正」と言いますが、メジャーな方法ではないので、メリットや効果など気になることがあるでしょう。
ハーフリンガル矯正について理解していると、治療方法の選択肢が増えるきっかけになります。
最善の治療方法を選択できるように、是非参考にしてください。
目次
ハーフリンガル矯正とは?
ハーフリンガル矯正という方法を聞いたことがある方は少ないと思います。
実際に行っている歯科医院は少なく、治療には高度な技術が必要なので限られています。
そのため表側矯正やマウスピース型矯正と比較すると、知名度も認知度も低いでしょう。
ハーフリンガル矯正とは、上顎と下顎で装着するワイヤー矯正の種類を分けて、表側矯正と裏側矯正(舌側矯正)を組み合わせる方法です。
上顎が裏側矯正で、下顎が表側矯正になります。
1)表側矯正
表側矯正は歯の表面に器具を装着する方法です。
治療の適応範囲が広く、費用も比較的安いので人気があります。
しかし矯正装置が目立ってしまうので、矯正期間中はコンプレックスになりやすいです。
一昔前は全て金属の器具だったのですごく目立ちましたが、近年では白くコーティングしたワイヤーや透明のブラケット(歯とワイヤーを固定する器具)など、目立ちにくいものを選択できるようになりました。
審美性は良くなりますが、近くで会話すると装置は見えてしまうので、バレたくない方には不向きです。
2)裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正は歯の裏側に装着する方法です。
矯正装置が目立たず、歯の裏側は唾液の循環が良いので虫歯や歯周病のリスクが減少できます。
しかし裏側にあることで舌が当たり、舌に外傷や口内炎、滑舌が悪くなってしまう原因になります。
そして前歯の裏側は平坦ではなくシャベル状にくぼんでいるので、他の矯正方法と比べて作業が難しく、技術の習得に時間がかかってしまいます。
専門性の高い方法なので、費用が高くなってしまうことがデメリットとしてあげられます。
表側矯正の相場は全体だと60~120万円ですが、裏側矯正の場合は100~170万円と、かなり高額になってしまうので、ハーフリンガル矯正にすると80~130万円に抑えることができるのです。
表側矯正よりは少し高くなってしまいますが、歯の表面に矯正装置を装着することに抵抗がある方はハーフリンガル矯正でいいとこどりの矯正方法も検討してみて下さい。
ハーフリンガル矯正と他の方法との仕上がりの違い
ハーフリンガル矯正の仕上がりは、他の治療方法と大きな違いはありません。
他の方法は「表側矯正」「裏側矯正(舌側矯正)」「マウスピース型矯正」がありますが、基本的に適切な治療計画と技術があり、歯科医師の指示を守れていれば、どの方法でも美しい歯並びが実現できます。
仕上がりの違いはほとんどないですが、治療期間には少々差が出ることもあります。
その理由は装置の調整のしやすさと、歯の動かし方の得意・不得意があるので歯の動くスピードが異なるからです。
裏側矯正は前歯を引っ込める動きが得意なので、上顎前突(出っ歯)などの歯並びは比較的スムーズに動かすことができます。
しかし非抜歯の矯正では歯を後退しても並べるスペースがないので、歯を奥に移動させる遠心移動という難易度が高い治療が必要になります。
その場合は治療期間が長くなるので、歯並びの状態によっては抜歯をした方が治療期間の短縮になる可能性があります。
装置の調整については表側矯正よりも裏側矯正の方が難しいので、少し治療期間が長くなる傾向にありました。
しかし近年は技術の向上により、治療期間を短縮できるようになってきました。
治療の効率を上げるために「インダイレクトボンディング法」や「セルフフライゲーションブラケット」の併用で表側矯正とほとんど変わらない期間で完了できます。
1)インダイレクトボンディング法
裏側に装置を取り付ける際に従来の方法は、目視することは難しいですが口腔内で直接ブラケットとワイヤーを取り着けていました。
しかしインダイレクトボンディング法は事前に型取りをした歯型模型上で正確な装置の位置を決めてから転写するように歯に装着する方法です。
この方法により精密に配置することができるので、精度が向上し、効率よく歯を動かすことができるのです。
2)セルフフライゲーションブラケット
従来のブラケットはワイヤーを固定する際に、ゴムや結紮線を使用します。
セルフフライゲーションブラケットにはワイヤーを固定するための構造が組み込まれているので、従来のブラケットと比較すると、ブラケットとワイヤーを固定する際に生じる摩擦が少なくなる特徴があります。
摩擦が少ないことによってスムーズに歯を移動することができるので、治療期間の短縮に繋がります。
治療期間の差はほぼないとは言われていますが、下顎の裏側矯正の調整はやはり難しく、下顎の骨は硬く、前歯が小さく横の歯との距離も近いです。
そのため装置を付けると装置と装置の距離も近くなってしまうので、裏側から微調整することが難しい下顎の裏側矯正を、ハーフリンガル矯正で表側に付けることで早く完了しやすくなるでしょう。
裏側矯正は前歯を後ろに引く動きが得意ですが、矯正力をかけすぎると内側に入りすぎてしまうリスクがあります。
その点、下顎を表側矯正にすることで防ぐことができるので、満足のいく結果になりやすいです。
治療後の仕上がりは矯正装置によって違いはないですが、歯科医師の技術によって左右されます。
そのため費用や通いやすさなども大事ですが、裏側矯正の実績があり、信頼できる歯科医師に治療してもらうことが最も重要です。
そして歯科医師からの指示やアドバイスなどを守り、自己管理をきちんと行うことが治療の成功に繋がります。
まとめ
ハーフリンガル矯正は上顎が裏側矯正、下顎が表側矯正の組み合わせで行う治療方法です。
メリットは、目立ちやすい上顎に裏側から装置をつけて審美性を保ち、下顎を表側矯正にすることで全額裏側矯正にする場合の価格より抑えることができることです。
裏側矯正は装置の取り付けに高度な技術や経験を必要とし、装置を歯の形に合わせてオーダーメイドで製作するので治療費が高額になってしまいます。
ワイヤー矯正でより目立ちにくく、尚且つ費用も抑えたいのであればハーフリンガル矯正がおすすめです。
矯正歯科や一般歯科でも歯列矯正を扱っている歯科医院が増えてきているので、歯医者選びは難しいと思います。
しかし歯医者選びが歯並びの仕上がりを左右させるので、複数の医院でカウンセリングを受け、信頼できる歯科医師を見つけて下さい。
歯並びのご相談や気になることがあれば、いつでもお気軽にお問合せ下さい。
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