投稿日:2025.12.22
マウスピースはどれくらいで交換が必要?寿命の目安と劣化を防ぐ方法
「マウスピースってどのくらいもつの?」「穴が開いても使い続けて大丈夫?」と気になっていませんか?
マウスピース型矯正の場合、メインとリテーナーの両方でマウスピース型の装置を使用するのが一般的ですが、それぞれ特徴や注意事項が異なります。長期的に使用するマウスピースは途中で穴やヒビがおこるのが珍しくありませんが、そのまま使用するのは後戻りにつながる恐れがありますのでおすすめできません。
こちらのページでは、患者様からよくご質問いただくマウスピースの寿命やトラブルの有無について分かりやすくまとめました。長持ちさせるコツや材質の違いなどにも触れていますので、現在治療中の方はもちろん治療をご検討中の方もぜひご参考ください。
目次
マウスピースの寿命はどのくらい?

歯科で使用するマウスピースの寿命は、一般的には約2~3年と言われています。これは「リテーナー(矯正完了後の保定用マウスピース)」や「ナイトガード(歯ぎしり防止用マウスピース)」といった長期的に使用するタイプのものの話であり、歯科矯正用のマウスピース(インビザライン等)は当てはまりません。矯正用のマウスピースは1〜2週間ごとに交換するもので、使い捨てである点がほかのマウスピースとの大きな違いです。「まだ使えるから」という理由で使い続けるものではありませんのでご注意ください。期間を守って正しく使用することが治療を計画どおりにすすめるポイントの一つです。
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使用者によって寿命に差が出る理由とは?

リテーナーやナイトガードといった長期的に使用するタイプのマウスピースは、使用者によって寿命に差がでるのが特徴です。どのような点が影響するのかを以下でくわしくみていきましょう。
① 噛み癖・食いしばり・歯ぎしり
食いしばりや歯ぎしりといった噛み癖があると装置に傷がつきやすく、とくに強い力がかかる歯ぎしりでは穴が開いたり割れたりすることもあります。かかる力の強さは人によって異なりますが、それらのトラブルが原因でリテーナーの形が変わってしまうと後戻りがおこるリスクが発生するので注意が必要です。気づいたら早めに歯科医院で作り直してもらいましょう。作り直しには2週間から1か月程度かかります。
② 使用頻度・時間帯
同じタイプのマウスピースでも使用する頻度や時間帯によって劣化度に差がうまれます。リテーナーとナイトガードは長期間使用する点では同じですが使用する時間は異なり、リテーナーはほぼ1日中、ナイトガードは就寝中に装着するのが基本です。リテーナーとナイトガードを両方持っていて使い分けているというケース以外は、リテーナーのほうが早く劣化する傾向にあるでしょう。食いしばりや歯ぎしりの癖があって装置の破損の可能性が高い方には、ワイヤータイプのリテーナーをご提案することもあります。
③ お手入れの仕方
リテーナーは正しく管理しないと長く使い続けることができません。消毒として熱湯につけるという方法を考える方は多いですが、マウスピースに使用している素材は熱湯に触れると変形してしまうため厳禁です。アルコール消毒もよくありません。流水下でブラシを使って見える汚れを落とし、その後に洗浄剤につけるのが正しい方法です。強く磨きすぎたり硬めのブラシを使ったりすると、表面に傷がついて細菌が増殖する恐れがありますのでその点にも注意しましょう。
④ 材質の違い
マウスピース型矯正で使用する装置やリテーナーは物によって素材が異なり、耐久性にも差があります。「この素材には使用できるけど、それ以外には向いていない」という洗浄剤もありますので、市販で購入する場合は一度歯科医院に確認してからのほうがいいでしょう。
渋谷矯正歯科で採用している2種類の材質とは?

渋谷矯正歯科では「柔軟性があり装着感が良いもの」と「強度重視で割れにくいもの」を取り扱っております。過去にマウスピースを使用していた方で割れた経験がある方や、食いしばりや歯ぎしりなどがあり割れやすいとこちらが判断した場合は、材質の変更をご提案することがあります。診察時に適した材質をお伝え・分かりやすくご説明いたしますので、初めて作る方も安心できるでしょう。
マウスピースを長持ちさせるための5つのコツ

マウスピースをできるだけ長持ちさせるには、正しい管理方法を理解しておく必要があります。以下のポイントを抑えてトラブルがあればすぐに歯科医院へ相談しましょう。
水洗い+専用洗浄剤でやさしく洗う
マウスピースは熱に弱く、触れると変形する恐れがあります。洗うときは必ず水を使用し、目に見える汚れを落としたあとは専用の洗浄剤につけて殺菌してください。歯磨き粉などをつける必要はありません。とくに研磨剤を多く含んだ歯磨き粉は、装置の表面に傷がつく原因となってしまいますので使わないようにしましょう。
素材に合わない洗浄剤を使用すると変色や変形がおこる恐れがあります。心配な方は事前に歯科医院にご確認ください。
高温や直射日光を避ける
お手入れ時にお湯を使用したり直射日光が当たる場所で放置したりするのは、マウスピースが変形する原因です。お手入れ時には水を使用し、保管するときは専用のケースに入れましょう。専用のケースは装置をお渡しするときに歯科医院で渡されるのが一般的ですが、紛失や間違って捨ててしまった場合は、歯科医院によっては購入いただく必要があります。ケースも治療を続けるうえで必要な物ですので大切に管理しましょう。
装着中は噛みしめない
余計な食いしばりがあるとマウスピースを長持ちさせるのが難しくなります。装着中はできるだけリラックスして噛みしめないことを意識しましょう。上下の歯列の間に数ミリ程度のすき間があいている状態が正常です。
意識して過ごすのが難しい場合は、目のつく場所にメモを貼り付けたり、ご家族やパートナーと一緒に住んでいる場合は声かけをしてもらうのがおすすめです。
ケースで保管する
ときどきマウスピースをティッシュに包んで保管しようとする方がいますが、包んだことを忘れてしまいそのまま捨ててしまうケースが珍しくありません。作り直しには時間がかかりますので必ず専用のケースをご使用ください。
異常やヒビを見つけたらすぐ相談する
歯が並んだ状態をキープするリテーナーは、トラブルがおこったまま使用すると歯並びが再び崩れる恐れがあります。何か問題があれば使い続けずにすぐに歯科医院へ相談してください。
マウスピースが割れたらどうする?再作成のタイミング

少しのヒビであれば一時使用はできますが、今後の歯並びに影響するレベルかどうかの判断が難しいため早めに作り直すのがおすすめです。歯並びに影響が出てしまうと、メインの治療をやり直さなくてはいけません。出費や時間の負担を余計に大きくしてしまいますので、自己判断はせずに一度歯科医院へ相談してみましょう。
当院ではマウスピースの素材変更のご相談も承っております。作ったマウスピースの素材が合わない場合は早めにご連絡ください。
まとめ

矯正治療で使用するリテーナーや歯ぎしり予防用のナイトガードは長期的に使用するタイプのマウスピースです。寿命は2~3年が一般的ですが、使い方や素材で大きく変わりますのでくわし
知りたい方や心配な方は遠慮なく当院までご相談ください。
当院では2種類の材質を患者様の状態に応じて選定しています。できるだけ心地よく使い続けてもらうために、正しい管理方法や注意事項も事前に分かりやすくお伝えしていますので安心して治療を続けられるでしょう。




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