投稿日:2025.8.20
歯科矯正中のMRI撮影はできる?矯正中のMRI検査の注意点について解説
みなさん、こんにちは!渋谷矯正歯科です。
歯科矯正治療は、ほかの歯科治療とくらべて治療期間が長く、年単位の時間が必要となるケースがほとんどです。
歯科矯正の治療中にMRI検査を受ける必要が出てくることもあるかもしれません。
MRIは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略です。
CTやレントゲンでは放射線を使用して体内の画像を撮影しますが、MRIでは「磁力」と「電磁波」を使って、体内の状態を断面像として撮影します。
強力な磁石や電磁波を使用するため、金属類を持ち込むと機械に金属が吸着し、的確な検査を行うことができない可能性があります。
そのため、身につけている金属類を外すように求められます。
では、お口の中の矯正装置はどうなってしまうのでしょうか。
ワイヤーを使った固定式の矯正装置はアクセサリーのように簡単に外すことはできません。
ここでは、歯科矯正治療中にMRI撮影が可能かどうかについてお話しします。
目次
歯科矯正中にMRI撮影ができるかどうかは金属によって異なる
表側矯正や裏側矯正(舌側矯正)で使用されるワイヤーを使った矯正装置は、おもに金属を使用しています。
そのため「MRI撮影のときは外さなければいけない」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし矯正装置の素材によっては、装着したままMRI撮影を行っていただくこともできます。
MRI撮影に影響をおよぼさない歯科素材
歯科では、さまざまな金属を使用します。
- ・インプラントによく使われる「チタン」
- ・ワイヤーに使用される「ステンレス」
- ・銀歯によく使われている「パラジウム銀合金」
- ・入れ歯や被せ物で使用される「ゴールドや白金」
などの金属はMRIの磁力に反応しないため、外す必要はありません。
ただし撮影する場所によっては「外した方がいい」と診断されることもあります。
MRI撮影に影響をおよぼす恐れがある歯科素材
- ・入れ歯やワイヤーなどによく使われる「ニッケル」
- ・入れ歯などによく使われる「コバルトクロム」
といった金属はMRIの磁力に反応する可能性が高く、装着したままでの撮影にはリスクが伴います。
入れ歯のように外せるものであれば問題はないのですが、固定式の矯正装置であれば、簡単に取り外すことはできません。
矯正治療中に取り外すと、治療が一時的に中断されることになります。
その結果、治療計画が変更となる場合もあります。
ご自身が使用している矯正装置がどのような金属でできているかは、治療を始める前にしっかりと確認をした方がいいでしょう。
磁力に反応する歯科素材をつけたままMRI撮影するとどうなる?
磁力に反応する歯科素材をつけた状態でMRI撮影をすると、次のようなリスクがあります。
矯正装置が外れる
矯正装置が磁力に引き付けられることで、痛みを感じたり、装置が外れたりすることがあります。
火傷する
MRI撮影では非常に強力な磁力を使うため、装着している金属と反応し熱を持ってしまうことがあります。
金属が熱を持つことで、患者様ご自身も火傷してしまう可能性があります。
検査画像が歪む
MRIで使われる磁石と金属の反応によって、磁気が乱れて検査画像が歪むことがあります。
特に、頭部付近の撮影では、お口の中の矯正装置が原因で、画像に歪みが出る可能性が高くなり、診断に支障が出てきてしまう恐れがあります。
機械が破損する
金属が機械に吸着して穴を空けてしまい、MRI本体の破損につながる恐れがあります。
マウスピース型矯正治療とMRI
マウスピース型矯正装置は、金属を使用していません。
そのため、装着したままでも、MRI検査を受けていただくことはできます。
ただし、検査を実施する医院によっては、検査中はマウスピース型矯正装置を外すように求められることがあります。
取り外した場合に、適切な管理できるように、専用のケースを持参しておきましょう。
マウスピース型矯正装置は1日20時間装着している必要がありますが、一時的であれば取り外しても、矯正治療の経過にはほとんど影響は出ないと考えられます。
検査が終わったら、できるだけ早くマウスピース型矯正装置を再装着しましょう。
ワイヤーを使った矯正装置を使った矯正治療よりも、マウスピース型矯正装置を使う方がMRI撮影におけるリスクは少ないため、矯正治療を始める前にMRI検査を行う予定がある場合は、マウスピース型矯正装置を選択するのも一つの方法です。
ただしマウスピース型矯正治療は適用できる歯並びに限りがあります。
MRI撮影時に注意が必要な矯正装置
歯科矯正治療では、さまざまなパーツを使用します。
次にあげる矯正装置にはMRI撮影に影響をおよぼす可能性があるため、それぞれどのような素材を使用しているかをしっかりと把握しておくことが大切です。
ワイヤー、ブラケット
矯正用のワイヤーには、MRI撮影に影響を与える金属が使われている可能性があります。
治療中の見た目を重視する方は、金属色のワイヤーではなく白いワイヤーを使用する方もいらっしゃいますが、白いからといって金属を使っていないのではなく、メタルワイヤーを白く塗装している場合があります。
またブラケットも、セラミックやプラスチックでできている透明なブラケットであれば問題ありませんが、メタルブラケットの場合は、MRI撮影に影響をおよぼす可能性があるため注意が必要です。
アンカースクリュー
矯正用の小さなインプラントを埋め込んで、固定源として利用する場合があります。
(※アンカースクリューとは?詳しくはこちらをご確認ください))
アンカースクリューは、チタンなどのMRIに影響しない金属で作られていることが多いため、MRI撮影に影響をおよぼす可能性は低いでしょう。
けれども撮影する部位によっては、外した方がいい場合もあります。
ゴム掛け用ボタン
矯正治療中により効果的に歯を動かすために、装置にゴムをかけることがあります。
そのゴムをかけるために設置したボタンが、MRI撮影に影響をおよぼす金属製であれば取り外さなければいけない可能性があります。
拡大床装置
おもに子どもの矯正治療で、顎の骨の成長を促す目的で使用します。
金属製の拡大床装置はMRI撮影に影響をおよぼす可能性が高いため、どのような素材を使用しているかを事前に確認しておきましょう。
リテーナー
矯正治療が終わると、歯並びを安定させるために「リテーナー」とよばれる装置を取り付けます。
(※リテーナーとは?詳しくはこちら)
リテーナーには、マウスピースの形をしたものや金属製のものもあります。
金属製のワイヤーを使用している場合は、MRI撮影に影響をおよぼす可能性があるため、素材の確認が必要です。
歯科矯正中にMRI撮影を行う場合は事前にご相談ください
MRI撮影を行う前には、矯正装置や入れ歯の有無について聞かれます。
金属の種類はもちろんですが、撮影する部位によっては矯正装置を外すように指示されることもあります。
外すように指示があった場合やどのような金属を使用しているかが不明な場合は、矯正治療を行っている歯科医院に確認しましょう。
矯正装置に使用している素材や金属の名前などを事前に確認しておけば、スムーズにMRI検査を受けることが可能です。
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※歯列矯正の「カウンセリング」とは?
※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。