投稿日:2025.7.31
日本人は歯並びが悪いって本当?海外と比べてどうなの?歯並びに対する意識について
みなさん、こんにちは。
渋谷矯正歯科医院です。
日本人は海外に比べて歯並びへの意識が低く、歯並びが悪い方が多い方が多いことをご存知ですか?
日本人の6割以上の方が歯並びに問題があるため、海外の方から見た日本人の歯並びに対する印象は当然「悪い」と感じている方が多く、「日本人は健康志向なのに、歯並びに対しての意識が低い」「笑顔は大切だから歯並びを気にした方が良い」などの意見もあります。
日本人と海外の歯並びに対する意識の違いについて説明していきます。
目次
日本人の歯並びについて(不正咬合の種類と割合)
歯並びに異常があることを「不正咬合」と言いますが、不正咬合は歯の並びだけではなく、噛み合わせの異常も含まれます。
その不正咬合の割合が6割を超えており、年々増加している傾向にあります。
一番新しい歯科疾患実態調査の種類と割合の結果は、以下の通りです。
叢生:約44.3%
叢生とは、歯が顎の大きさに比べて大きく綺麗に並ぶスペースが足りず、重なり合ったりガタガタに生えている状態です。
日本人に一番多い歯並びで、八重歯も叢生に分類されます。
顎が小さいと叢生になりやすく、遺伝の場合もありますが、指しゃぶりや口呼吸などの癖、柔らかい食べ物を好むなど、顎の成長に影響を与えることが叢生を引き起こすことがあります。
歯並びがガタガタしているので歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭や顎関節症などの原因にもなります。
上顎前突:約12.9%
上顎前突は上顎や上顎の歯が前に出ている状態で、一般的には「出っ歯」として知られています。
日本人は欧米人に比べて上顎骨のアーチが縦長なので出っ歯になりやすく、日本人の10人に1人以上は上顎前突です。
原因は遺伝や口呼吸、指しゃぶりなどの環境の影響もあります。
空隙歯列:約12.4%
歯と歯の間に隙間がある「すきっ歯」と呼ばれ、乳歯列期では永久歯が生えるためのスペースとして隙間がある方が良いです。
しかし永久歯に生え変わった後も隙間が残る場合は、歯並びは悪くなくても不正咬合になります。
空隙歯列の主な原因は上下顎の成長のバランスが悪い場合や、上唇の内側と歯肉を繋ぐヒダ(上唇小帯)が厚かったり長かったりすると、前歯の隙間(正中離開)になります。
過蓋咬合:約4.8%
過蓋咬合とは、噛んだ時に上顎の歯が下顎の歯を深く隠してしまう状態です。
日本人の顔立ちからして過蓋咬合は「可愛らしさ」「美しさ」と捉えられることもありますが、上顎に覆われて下顎の動きが制限されるので、顎関節症のリスクが高まる場合があります。
反対咬合:約2.4%
反対咬合は上顎よりも下顎が前に出て噛み合わせが反対になっている状態で、「受け口」と呼ばれています。
遺伝する可能性も高いので、両親が反対咬合の場合、お子さんも噛み合わせが似る傾向にあります。
家系に反対咬合が見られる場合、成長期に症状がひどくなることがあります。
また、日本人は人種的に上顎の発達が遅く、下顎が前に出やすい骨格のため、受け口になりやすいと言われています。
開咬:約5.7%
開咬は奥歯で噛んだ時に上下の歯が正常に噛み合わず、前歯に隙間が空く状態です。
食べ物を噛み切りにくくなり、胃腸への負担が増え、歯を喪失するリスクが高くなり、体の健康にも大きく影響する危険な不正咬合になります。
遺伝的な要因もありますが、顎の成長異常や、舌を噛んだり唇を前歯の内側に巻き込む癖なども原因として考えられます。
歯並びについては、年齢や性別によっても異なる場合はあります。
近年不正咬合が増加している主な理由はとして、遺伝的な要因に加え、環境的な要因、特に食生活の変化が挙げられます。
軟らかい食事の増加により、咀嚼回数が低下することで顎の成長が不十分になり、歯が正常に並びスペースが不足することで歯並びが悪くなります。
また、指しゃぶりや口呼吸、低位舌などの口腔習癖も顎の成長や歯の並びに影響を与えるので、不正咬合を引き起こす原因となります。
上顎骨の成長は一般的に10歳頃には成長がほぼ完了しているので、顎の成長期に舌や唇などの筋肉を正しく使い、なるべく硬い食べ物を良く噛んで上顎の成長を促すことが大切です。
海外の歯並び事情は?
欧米人は先天的に骨格が大きく、また、食生活も硬い食材を食べることが多いので、顎が発達しやすい環境にあります。
そのため日本人と比較すると欧米人は顎が大きいので、歯が並ぶスペースが十分あり、元々歯並びが綺麗な方も多いと思います。
しかしこの差だけではなく、海外では歯に対する意識が高く、歯並びが重要視されています。
欧米では歯並びは「自己管理能力の表れ」として捉えられており、歯並びが悪いと自己管理ができないと見なされること傾向があります。
見た目だけでなく育ちの環境や清潔さ、健康などにも影響を与え、さらに就職や恋愛においても歯並びで評価されるため、幼少期に歯列矯正を行う方が多いです。
特にアメリカは歯列矯正の割合が非常に高く、50%以上の方が矯正治療を受けており、矯正を考えている方は80%を超えています。
歯並びの綺麗さと、さらに歯の白さもステータスと捉えられるので、ホワイトニングの意識も高いです。
アメリカでは、日本では歯科医院でしか扱えないような高濃度の薬剤を使用したホワイトニング用品が、ドラッグストアなどで市販されているほど日常的に使用されています。
歯の意識の高さは、アメリカでは国民皆保険制度がないため、虫歯や歯周病の治療費は全額自己負担となります。
そのため予防意識が高く、日頃からオーラルケアを徹底している方も多いでしょう。
日本の歯並びに対する意識について
日本人は60%以上の方が不正咬合ですが、歯列矯正を受けている方は約21%であり、矯正を検討している方は約30%と、海外に比べると歯並びに対する意識の低さがわかりますね。
日本では歯並びが悪いことによって能力を判断されたり社会的に評価されることはなく、虫歯や歯周病などの治療も医療保険が適用されるので、歯に対しての意識や大切さはあまり感じられません。
多少のガタつきでは治療しようと思う方は少なく、八重歯が「可愛い」と好まれる傾向にもあります。
日本人の矯正治療率が少ない背景にはこのような意識の問題もありますが、ネガティブ思考も影響していることが多いようです。
歯列矯正に対して「矯正装置が目立って恥ずかしい」「盛れない」など、精神的なストレスを抱えやすく、さらに「治療費が高い」「痛そうで怖い」とマイナスな意見もあります。
しかし欧米では治療することが当たり前であり、裕福な家庭であるステータスでもあります。
そのためあえて目立つ矯正装置を装着したりするので、できるだけ目立ちたくない日本人とは思考の違いが大きくあります。
最近では目立ちにくいマウスピース型矯正で矯正治療を開始する方が多くなりましたが、長期間の海外旅行や拠点を海外に移す予定のある方は、矯正治療をしていた方が良い印象を受けるでしょう。
まとめ
海外と比べて日本人は顎が小さい傾向にあるので、歯並びが悪くなりやすいです。
さらに近年では好んで食べる物が軟らかい物が多く、噛む回数が低下しているので顎が十分に発達せず、歯並びが悪い子供が増えてきています。
海外のように歯並びで評価されることはないですが、見た目や健康への影響はすごく大きいので、歯並びが人生を変えることは十分に考えられます。
歯並びが綺麗だと素敵な笑顔と自信、健康も手に入れることができるので、歯並びが気になる方は是非一度、渋谷矯正歯科医院へお問合せ下さい。
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