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矯正コラム

歯並びが悪いと起こる 5つの不調

矯正治療とは、歯並びやかみ合わせをきれいに、きちっと咬み合うようにする歯科治療です。子供の場合は、将来のかみ合わせを見据えて、あごの成長を考えながら治療を進めます。大人は成長が終わっていて成長をコントロールできないので、あごのバランスを改善するためには、手術が必要なこともあります。

かみ合わせ、あごの骨や関節、一人一人違うお口の状態から理想的なかみ合わせを目指す治療が、矯正治療です。矯正の器具を使って、歯やあごの骨に力をかけ、ゆっくりと動かしていきます。ワイヤーやマウスピースを使った方法があります。

なぜ、かみ合わせを正しくする必要があるのか、かみ合わせがよくないとどうなるかをみていきましょう。

不正咬合の影響

歯並びやかみ合わせがよくない状態を不正咬合といいます。
不正咬合はお口や全身にも影響が出てきます。

むし歯になりやすい

歯並びがでこぼこで歯が重なっていたりすると、歯ブラシが届きにくく汚れがたまってしまいます。

唾液も行き届かなくなるのでむし歯になりやすくなり、プラーク(歯垢)が歯にくっついたままにしておくと、むし歯菌が歯を溶かしむし歯になってしまいます。

余談ですが、唾液はお口の中の清潔を保つ働きがあります。

①緩衝作用

食べ物や飲み物の酸やお口の中の細菌の酸によって、お口の中は酸性になります。すると、歯の表面が溶け(脱灰)、むし歯になります。
この酸性になったお口の中を、中和してくれるのが唾液の緩衝作用です。

②再石灰化

唾液は、歯のエナメル質からミネラルが溶けだした状態(脱灰)を、元に戻そうとしてくれます。
これを再石灰化といって、歯にミネラルを補充してくれます。

③自浄作用

むし歯菌は食べかすに集まってプラークをつくります。
唾液は食べかすやプラークを洗い流してくれます。

④抗菌作用

唾液には酵素が含まれていて、ばい菌に対して抗菌作用を発揮します。
お口の中にはたくさんのばい菌がいますが、増殖しないように抑えてくれます。

歯周病になりやすい

磨き残しがあると、プラークの細菌によって歯ぐきが腫れてしまいます。
さらに、歯ぐきの溝(歯周ポケット)に汚れがたまり続けると、歯の周りの骨が溶け、歯周病が進行してしまいます。
例えば、「歯ぐきから血が出る」、「口臭が気になる」、「歯がグラグラする」といった症状に気づいたときには、すでに歯周病が進行している場合があります。

また、かみ合わせがよくないと歯の周りにも力がかかるので、歯周病を悪化させる原因になってしまいます。
かみ合わせの力によって、歯の周りにダメージを与えることを、咬合性外傷といいます。
歯周病の治療において、歯磨きの状態をよくする(プラークコントロール)を徹底することと、かみ合わせを安定させることが大切です。

歯がダメージを受けやすい

咬んだときに強く当たる歯があった場合、その歯には大きな力がかかってしまいます。
歯が削れている方はかみ合わせが強いと考えられます。
毎日くり返し負担がかかると、歯にヒビが入ったり、歯が割れてしまうこともあります。
歯ぎしりや食いしばりがあると、リスクはより高くなります。
歯の根っこまで割れてしまった場合、抜歯になってしまうケースもあります。

あごに負担かかかりやすい

安定していない咬み方は、あごの関節(顎関節)に負担がかかります。
さらに、食いしばりや歯ぎしりをするとものすごく負担がかかります。
特に、夜寝ているときはご自身の体重何倍もの力がかかっていて、なんと200㎏以上ともいわれます。

実は、歯ぎしりといってもギリギリするタイプだけではありません。
歯ぎしりしてないわと言われる方でも、音のないタイプの歯ぎしりをしていることがあります。
歯ぎしり自体は悪くありませんが、かみ合わせがよくないと、あごに負担がかかってしまいます。

「あごが痛む」、「口があかない」、「あごを動かすと音がする」といった症状がある場合は、顎関節症が疑われます。
顎関節症は様々な原因が合わさって起こるとされています。
かみ合わせも誘因の一つですが、歯ぎしり、集中すると食いしばっている、頬杖などの癖、咬み方のバランス、あごの形、ストレスなど多くのことが原因として考えられます。

肩こりになりやすい

肩こりは、肩や首の筋肉の緊張によって起こると言われています。ものを咬むための下あごの筋肉はとても強くできています。
かみ合わせがよくないと、余計な緊張や筋肉の疲労を生み、あごの筋肉も緊張しっぱなしになってしまいます。
すると、あごとつながった首や肩の筋肉も緊張し、疲れてしまいます。
もし、なかなか肩こりが解消されない場合は、歯科で検診を受けてもよいかもしれません。