歯周病と歯並び

歯周病予防の観点からも
大人の矯正は吉です。

「矯正治療」=「見た目の改善」というイメージを持っていませんか?
実は矯正治療には歯周病を予防する効果もあります。
歯並びが悪いと、歯と歯が重なった部分に歯周病菌の温床である「プラーク(歯垢)」や「歯石」が溜まりやすくなります。それらを放っておくと、知らず知らずのうちに炎症が進行し、最悪の場合歯を失うことになりかねません。
歯周病は「サイレントディジーズ(silent disease)」とも呼ばれ、自分が罹っていることに気づきにくい病気ですが、歯だけでなく糖尿病や心筋梗塞・脳卒中といった全身の病気にかかわりを持つ恐ろしい病気です。歯周病の予防に向け、ご自身の歯並びを見直してみませんか?

歯周病とは?

perio01perio01歯周病は、主にプラーク(歯垢)の中の細菌によって歯周組織に炎症が起きる疾患です。症状が進行すると歯を支える歯槽骨が溶け、最終的には歯を失うことになります。
日々のケアによってプラークを溜めないことが重要ですが、歯並びによっては歯ブラシが届きにくく、磨き残しが生じます。そのようにして残された食べ物のカスなどをエサにして細菌が増殖し、プラーク(歯垢)を形成します。プラークの段階では丁寧なブラッシングで除去することができますが、唾液中のカルシウムやリン酸と結びついて「歯石」になったり、プラークが膜を形成し「バイオフィルム」となったりすると歯科医院で除去してもらう必要が出てきます。
歯石やバイオフィルムが生じたからといって自覚症状が出るわけではありませんが、放っておくと細菌の影響によって歯肉炎や歯周炎となり、以下のように症状が進行していきます。

  1. 1 歯肉炎

    歯周病のごく初期の段階では、歯肉が赤く腫れる「歯肉炎」が起こります。この段階では、炎症を起こしているのは歯肉のみです。ここで歯の異変に気付き、適切な治療を行えば、健康な歯を取り戻すことができます。

  2. 2 初期歯周炎

    症状が進むと、炎症は歯肉から「歯槽骨」や「歯根膜」といった歯周組織に広がっていきます。歯周病の進行具合の目安となる歯周ポケット(歯と歯肉の間の隙間)の深さは3mm〜5mm程度となります。プラーク(歯垢)や歯石が溜まり、歯槽骨の崩壊が始まります。歯磨きなどのちょっとした刺激で出血することがあります。

  3. 3 中期歯周炎

    中期に入ると、さらに炎症が広がり、歯槽骨の崩壊が進んで歯がグラグラし始めます。歯茎は紫がかることもあり、出血の他、膿も出てきて歯周病特有の口臭の原因となります。歯周ポケットは4mm〜7mm程度が目安です。

  4. 4 末期歯周炎

    この段階まで来てしまうと、歯槽骨がほとんど破壊され、歯はグラつき、物をかむと痛みがでるようになります。歯周ポケットの深さは6mm以上となり、歯と歯肉の境目が下がってきます。歯並びが悪化する他、出血・膿・口臭がひどくなります。

不正咬合と歯周病

perio02perio02歯並びの悪さ(不正咬合)は歯周病の引き金となる他、歯周病を悪化させることもあります。
歯と歯がでこぼこと重なり合って生えているような「叢生(乱杭歯・八重歯)」の場合、歯の隙間や重なり合った部分はブラッシングがしづらく、歯の洗浄・再石灰化作用を持つ唾液のめぐりも悪くなります。そうした箇所にはプラークが付きやすく、歯周病になりやすいと考えられています。
また、噛み合わせが悪い場合、特定の部分に過剰な負荷がかかってしまい、歯のエナメル質が損なわれてプラークが付きやすくなります。
負荷は歯だけでなく、歯を支える歯槽骨へも影響を及ぼします。噛む力が特定の部分だけにかかることによって、歯槽骨が物理的な刺激をうけるので、歯周病になった場合には歯の崩壊や溶解がより早く進むことになります。

こんな気付き・経験はございませんか?

矯正が必要な不正咬合には、「叢生(乱杭歯・八重歯・歯の凸凹)」「上顎前突(出っ歯)」「下顎前突(受け口)」「開咬(口を閉じても上下前歯の間に隙間ができる)」「過蓋咬合(噛み合わせが深い)」「空隙歯列(すきっ歯)」などがあります。
矯正治療は歯周病の予防だけでなく、全身の健康を維持するためにも有効な治療です。以下に心当たりのある方はぜひ一度カウンセリングでご相談ください。

  • ・歯と歯が重なっている、歯が凸凹に生えている。
  • ・咬合面がガタガタで、うまく噛めない。
  • ・前歯でものを噛み切れない。
  • ・奥歯で上手く噛めない。
  • ・食事の際や、食後、顎に違和感を感じる。

ただし、既に歯周病に罹患している場合には、歯周病の治療を行ってからの開始となります。