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投稿日:2025.5.28

噛み合っていない奥歯は歯列矯正で治療した方がいい?

こんにちは!渋谷矯正歯科です☆
歯列矯正治療を行う目的として、歯並びを綺麗に整える審美面正しい噛み合わせにするための機能面とがあります。
一般的には歯並びが気になって治療を考える方が多いのですが、噛み合わせ(専門的に言えば咬合状態)が悪いから治療に踏み切ろうと思う方はそれほど多くないように感じます。
それは、ご自身があまり不自由に感じていないことが挙げられます。
というのも、歯が生え始め、永久歯に生え変わってからもご自身の噛み合わせで食事をしてきています。
正しい状態から突然異常な噛み合わせに変化するわけではないので、噛むことに不自由を感じない、すなわち自分の間違った咬合状態に気づいていないのです。
では、専門医に指摘を受けて治療を勧められた場合、歯列矯正をするべきかについてご説明していきます。

正しい噛み合わせとは?

歯の噛み合わせの模型

一体どのように噛んでいれば正常なのかわかる方は少ないと思います。
人は食事をする中で、噛み癖や利き手のように「噛みやすい方」が出てくる人がほとんどです。
その中で専門医が診て正しく噛んでいるか判断する一定基準があるのでご紹介していきます。

正中線がズレている

上下で噛んだ時、歯の中心部にあたる部分を正中といいます。
いちばん中心にくる前歯を1番と呼び、上下左右で奥にいくにつれ1〜7番となり合計28本の歯が並んでいるのが基本となります。
ここで噛んだ時に正中である前歯の線が上下でズレている場合は不正咬合と判断し、正中線不一致と呼びます。
正中がズレているから奥歯が噛み合っていないとはなりませんが、上下の歯の大きさのアンバランスや骨格のズレ、奥歯が大きく傾いているなど原因はさまざまです。

オーバージェット

オーバージェットとは前歯の前後位置関係の状態で判断される咬合状態の基準となります。
上下で噛んだ時、上の前歯が下の前歯よりやや前に出た状態になるのが普通になります。
このとき、通常であれば前後の距離は2〜3mm以内におさまっています。
しかし出っ歯のように上の前歯が突出している場合は3mm以上の距離ができてしまい、不正咬合として診断されてしまいます。
反対に、下の前歯の方が上の前歯より出た状態で噛んでいる受け口も不正咬合として診断されてしまいます。

オーバーバイト

オーバーバイトとは上下の噛み合わせの深さを示すものになります。
奥歯にはでこぼこと溝があり、上下の溝同士が上手く噛み合うことで食事を噛み砕くことができます。
しかし顎の骨格の問題やズレが原因で接触点が少なく、上手く噛み合っていない場合を噛み合わせが浅いと診断されます。
反対に深く噛み合いすぎてしまい、下の歯に上の歯が覆いかぶさって下の歯が見えないほどの重症なケースが診られることがあります。

奥歯で噛んでいないとどうなる?

奥歯をチェックする女性

では実際に奥歯でしっかり噛み合っていないとわかった場合、歯列矯正によってを正しく治療する必要があるのでしょうか。
もしも治療しないとどうなるのかいくつか例にあげてご説明していきます。

口腔機能の低下

奥歯が噛んでいない状態は、正常であると言えません。
そのため口の役割をしっかり果たすことができません。
例えば、発音は正しい噛み合わせにより言葉の明瞭さがでますが、奥歯が噛み合わないことで聞き取りにくい発音になることもあります。

そのほか、しっかりと咀嚼ができないことが挙げられます。
奥歯のでこぼことした溝が上下で噛み合うことで、肉などの硬いものを噛み切ることができるのですが、切れないハサミのように何回噛んでも噛み切ることができなければ、そのまま飲み込むことになります。
そうなれば消化器にも負担がかかり、将来的な体の不調にもつながってきます。

歯の破折や歯周病の進行

咬合状態が正常ではない場合、無意識に噛みやすい位置を探してそこばかりで咀嚼するようになります。
それを毎日繰り返せば、負担がかかる歯にどのようなことが起こるでしょうか。
歯磨き不足によって起こるとされている歯周病ですが、実は過度な負荷がかかることでも歯周病になることがあります。
例えば歯ぎしり食いしばりなどがそれにあたります。
使える歯だけを毎日繰り返し使うことで、過度な負担がかかって歯周病となるのです。
また、その力に耐え切れなくなった時、歯の破折が起こり抜歯せざるを得ない状況にもなる可能性があります。

顎関節への負担

顎への負担にも大きく影響します。
片側だけで咀嚼をしたり、噛むために顎をずらして噛むことが日常的に繰り返されれば、顎関節症として痛みとなって現れます。
また、ズレた噛み方により口周りにある咀嚼筋が筋肉疲労を起こします。

顎関節症は顎の運動などにより一時的に回復することはありますが、噛み合わせ癖が改善できなければ時間をおいて再度症状が出てしまいます。
食事をするたびに顎の痛みを気にすることは精神的ストレスにも影響するでしょう。
さらに顔や体の歪みにも繋がることは大袈裟ではありません。

体の不調

そのほかに頭痛肩こりなど体の不調にも繋がります。
こめかみ辺りにある側頭筋が不正咬合によって緊張状態になり、硬直して血流の悪化を起こします。
そのため神経の圧迫に繋がり頭痛を誘発します。
そして、偏った噛み方を毎日続けることで姿勢にも歪みが出て肩こりに繋がることがわかっています。

正しい噛み合わせにする治療法

歯科治療の器具

ここまでの説明を聞いて噛み合わせを改善させることは重要であることはお分かりいただけたと思います。
では実際にどのような治療法によって改善するのかみていきたいと思います。

歯列不正が原因の場合

歯列矯正装置の模型

歯が部分的に内側に倒れていたり反対に外側に飛び出している場合は、上下で噛み合うことができません。
このように歯並びが悪いことで奥歯が噛み合わない例では、歯列矯正によって適切な位置まで歯を移動させて治療を行います。
多くはブラケットと呼ばれる金属ボタンを歯の表面に装着してワイヤーを通し、力を加えることで歯の移動を行います。
全体的な所見から全体矯正になるのか部分矯正になるのかは専門医が判断します。

軽度の歯列不正であればマウスピース型矯正による治療が適用になる場合があります。
こちらも専門医の判断となりますので、自分がどんな状況であるかしっかり説明を受け納得した上で治療法を決めるようにしましょう。

▶︎当医院の治療メニューの一覧はこちらをご確認ください
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▶︎表側矯正について詳しく見る
▶︎ハーフリンガル矯正について詳しく見る
▶︎マウスピース型矯正について詳しく見る

そのほか、子供の顎の成長過程で異常が起きている場合に奥歯が噛み合わない状態ができてしまうことがあります。
顎の成長は噛むことで促されて大きくなっていきます。
上顎と下顎とでは成長スピード完成時期も異なります。
その成長過程で過度な成長である過成長や成長が極端に遅い劣成長がみられることがあります。
それらが結果的に受け口出っ歯の原因になることがわかっています。
そして、顎の成長に上下で違いが出れば、当然のことながら噛み合わせに支障が出たり歯列不正が起こりやすくなります。
その場合、成長途中に顎の成長を促す装置や、反対に成長を抑える装置を取り付けることで上下のバランスを取っていき、正しい噛み合わせに導いていくというわけです。

骨格が原因の場合

重度の骨格のズレ顎変形症が原因で上下の歯が噛み合わない場合は、顎の骨を削って上下顎の位置や形態を修正するための外科手術を行うことがあります。
これらの異常がみられる原因はわかっていませんが、遺伝的要因指しゃぶり口呼吸、頬杖が日常的に行われることによって起こるという説もあります。

まとめ

笑顔の歯科衛生士のイメージ

今回の記事で噛み合わせの重要性がお分かりいただけたのではないでしょうか。
噛み合わせが正常か異常か、本人では判断しづらいと思います。
自分ではしっかり噛んでいるつもりでも、専門医が見ればほとんどの人に微々たる異常が見つかるほど繊細な機能になります。
100%を求める必要はありませんが、将来的に体や気持ちに支障が出ない程度に噛み合わせを保つことはいつでもできる健康法のひとつになります。

もし現在歯並びや噛み合わせにお悩みを持たれている方がいらっしゃいましたら、まずはカウンセリングにてお話しください♪
▶︎カウンセリングの予約フォームはこちら

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