渋谷矯正歯科総院長のブログ

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院内の衛生管理について
お話します。

2019/03/28

こんにちは、渋谷矯正歯科院長の東海林です。少しずつ暖かくなってきましたが、この時期はまだ朝晩が冷えますね。油断すると風邪を引きやすい季節なので、私は真冬よりも体調管理に気を使います。様々な感染症の予防には、やはり手洗い・うがいが重要だと聞きますが、最近では、公共施設やお店などにアルコール消毒液が置いてある風景も一般的になりました。それだけ、私たちの衛生に対する意識が高まっているのかもしれません。そのような流れの一方で、歯科の衛生管理は各クリニックによってまちまちだということをご存知でしょうか?

歯科の衛生管理状況は?

歯科では、患者さまのお口の中に触れ治療を行います。その際に使用される器具は当然洗浄・消毒されているものと思いますよね。確かにそうなのですが、そうでない部分もあります。

歯科にはエアータービン・マイクロモーター・超音波機器といった、先端が高速で回転・振動する器具が必ずあります。これらの器具は本体であるハンドピースの先にクリニーング用のブラシや切削用のドリルなどを付け使うのですが、このハンドピース(本体部分)が実は盲点であると言われています。

患者さまのお口に直接触れるのは先端のブラシやドリル部分ですが、ハンドピース本体にも飛沫が飛ぶ、唾液が逆流して隙間に入り込むといったことがあります。そのため、このハンドピースも患者さまによって交換することが求められます。

ただ、ハンドピースは構造の複雑さから洗浄が難しい器具であるため、洗浄にはオートクレーブといった専用の機械が必要となります。その上1回の治療ごとに洗浄・滅菌を行うとなるとハンドピースに十分な数がなければなりません。こうした設備面のハードルの高さから、ハンドピースを患者さまごとに交換している歯科医院はそれほど多くはないと言います。

渋谷矯正歯科のハンドピースは、治療中はチェアサイドに置かれていますが、患者さんの治療を始めるまでは滅菌パックに入った状態で保管されています。

渋谷矯正歯科ではハンドピース専用の滅菌器とオートクレーブを使用し
ハンドピースを洗浄・滅菌しています。

渋谷矯正歯科では、歯科用ミラーからアングルワイダー(ホワイトニングなどの際に口を広げる器具)に至るまで患者さまのお口に触れるものは、形態・材質に合わせた洗浄・滅菌を行い、患者さまごとに交換を行っています。
それはハンドピースに関しても同じです。

ハンドピース専用滅菌器DACユニバーサル

当院では、ハンドピースの洗浄・注油・滅菌が一度にできる小型のハンドピース専用滅菌器を使用しています。ハンドピースは中が空洞になった構造のうえ、血液や唾液等の汚れや磨耗・残留油分による汚染のため、そのメインテナンスが難しいものです。当院が使用しているハンドピース専用滅菌器は、ハンドピースを設置しボタンを押すだけで、マウスピースの汚れを徹底的に取り除く優れものです。

高圧蒸気滅菌器(DAC プロフェッショナル クラスBオートクレーブ)

ハンドピース専用滅菌器で洗浄・滅菌後には滅菌パックに入れ、オートクレーブでさらに滅菌処理を行います。一口に滅菌器と言ってもその性能には差がありますが、渋谷矯正歯科で使用しているものは、ヨーロッパ基準prEN13060において「クラスB」=「あらゆる種類の被滅菌物を安全に滅菌することができる」とされている滅菌器です。

より厳しい欧州の基準で

上で述べたヨーロッパ基準の「クラスB」についてもう少しご説明しましょう。診療器具の衛生管理はカテゴリーによって分類されています。カテゴリーごとに゙衛生管理の適切な工程が決められていて、患者さんの血液などが付着する可能性のある「クリティカル」に分類されるものは「洗浄-->滅菌」の工程が必要です。

カテゴリー 定義 歯科器具・物品
クリティカル
(critical)
通常無菌の組織や血管に挿入されるもの 外科用器具、歯科用スケーラー、歯科用ハンドピースなど
セミクリティカル
(semicritical)
損傷の無い粘膜・損傷のある皮膚に接触するもの 歯科用口腔内ミラー、再使用可能な歯科用印象トレーなど
ノンクリティカル
(noncritical)
損傷の無い健康な皮膚と接触するもの X線撮影用ヘッド、フェイスボウなど

「滅菌」とは微生物を限りなく0にすることですが、ここで滅菌器(オートクレーブ)の性能が問題になります。特に歯科用ハンドピースは中が空洞になっている上、使用するまで保管が必要なので、滅菌パックに入った状態での滅菌が必須です。ですが、実のところ「中空」で「包装された」器具の滅菌には限られた滅菌器しか使えないのです。

ヨーロッパの一部ではクラスBのオートクレーブを設置しないと開業できないという厳しい基準を設けている国もあるそうです。日本でもオートクレーブの使用を原則として求められますが、クラスBまでのものとなると、まだ多くが普及しているわけではありません。

衛生管理は歯科の責任です

歯科で使用する器具は、患者さまのお口の中に触れますし、時には血液や粘膜、損傷した皮膚などが付着することもあります。こうした器具がしっかりと滅菌消毒されない場合には、院内感染の恐れがあります。あまり知られていませんが、歯科においてきちんとした衛生管理が行われない場合には、B型肝炎などの感染リスクが常にあります。みなさまの健康のために施術を行っている歯科が、病気を広めてしまう、というのは何とも皮肉なことですよね。そして、絶対にあってはならないことです。

渋谷矯正歯科では、患者さまの健康のため、院内の衛生管理に関しては徹底的に行っています。今回はハンドピースのことについてお話しましたが、次回はその他の衛生管理についてお話していきますね。